駅近の賃貸物件や売り出し物件を探している方にとって、徒歩の所要時間は重要な不動産情報です。
しかし、表記されている所要時間は目安であり、早く着いたり遅く着いたりします。
どのような基準で徒歩の所要時間が決まっていて、どのようなルールがあるのでしょうか。
そこで本記事では、不動産情報にある徒歩の所要時間の背景において、表示ルールや駅近のポイントを解説します。
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不動産情報に「駅から徒歩〇分」の表記を見ますが、どのような基準で決められているのでしょうか。
まずは所要時間における表示ルールと、その背景を見てみましょう。
表示ルールは1分＝80m
不動産の表示ルールは「不動産の表示に関する公正競争規約」で決められていて、1分＝80mです。
1分未満の端数が出たときは1分として計算し、1分＝80mを時速に直すと4.8㎞になります。
つまり、距離が81mだった場合は徒歩2分になり、端数が切り上げになるため注意が必要です。
マップで移動距離を調べるアプリでは「不動産の表示に関する公正競争規約」が採用されていませんが、時間のずれに大きな差はありません。
1分＝80mの基準
1分＝80mの基準はハイヒールを履いた女性の平均速度で、正確には分速80.3mです。
はじめは1分＝100mを検討されていましたが、男性の歩行速度は女性と差があって若干速くなってしまいます。
そこで決められたのが女性の歩く早さで、なおかつ早歩きがしにくいハイヒールが注目されました。
不動産の公正競争規約制定の担当者である職員が実際に歩き、計測した速さは1分＝80mでした。
歩くのに妥当な速さであり、以後不動産では1分＝80mが定着しました。
道路距離≠直線距離
表示ルールにおいて直線距離ではなく、道路距離で考えます。
道路距離とは実際に歩く道のりで、建物や横断歩道を無視して測る距離ではありません。
そのため、駅から直線距離数10mの近さでも、道路距離で大回りしなければならないケースがあります。
また、人の混雑や交通量の多いエリアで渋滞をしても距離は考慮されていません。
目的地である不動産まで距離が近いと思っても、案外遠くに感じてしまうものです。
不動産情報にある徒歩の所要時間における注意点
不動産情報にある徒歩の所要時間を参考にしても、実際に歩いて計った時間と異なるケースが多いです。
理由は所要時間に含まれない、いくつかの注意点があるからです。
どのような原因なのか、確認しておきましょう。
信号
信号待ちの時間は、目的地である不動産の計測時間に含まれません。
信号とは無関係なほど近場なエリアがありますが、駅から徒歩10分かかるエリアだと信号が1つや2つはあることでしょう。
とくに歩行者用信号のみが動くエリアで、信号の切り替わりが遅い条件が揃うと時間は数分ずれてしまいます。
通勤や通学の方は不動産情報を鵜呑みにせず、少し早めの時間で出入りするように調整しましょう。
また、信号は踏切にも該当し、遮断機が下りて電車が通るまでの時間は含まれません。
信号や踏切などで停止してしまうシチュエーションは、徒歩の所要時間に入らないのを把握しておきましょう。
坂道
坂道によるスピードの変化は、所要時間に含まれません。
歩く速さと坂道との関係性において、上り坂だと歩くのが遅くなり、下り坂だと歩くのが早くなるものです。
しかし、不動産の所要時間では平坦な道と考え、考慮されないため注意点として覚えておきましょう。
実際に歩いてみると、不動産情報に記載されていた所要時間よりも短かったり、長かったりします。
とくに山の近くにある物件だと、車でない限り大きな差が開くことでしょう。
階段
階段の上り下りは、不動産情報の所要時間に含まれません。
階段の段数が少なくて、段の幅が適度な広さであれば大きな差は出ないでしょう。
しかし、地域によっては数十段から数百段ある階段を通らなければいけなかったり、段の幅が狭すぎてゆっくりかつ慎重に上らなければいけなかったりします。
とくに階段が苦手なお年を召した方や、足が不自由な方にとって大幅な時間を取らせてしまうでしょう。
もし該当する場合は、事前に周辺情報を調べておくか、不動産会社に問い合わせておくのがおすすめです。
徒歩の所要時間を気にしない！駅近物件で暮らすポイント
駅近の物件で住むためには、価格や駅の状況、物件の機能性などが重要なポイントです。
売買においても所要時間の距離で、メリットとデメリットがはっきりと別れるため、駅近と駅から遠い物件のどちらが適しているかを確認してみてください。
価格
駅近で暮らすと購入価格が高いデメリットがありますが、売却は比較的しやすいメリットがあります。
通勤や通学で駅を利用する方にとっては、駅近は好立地で好条件の物件です。
朝起きる時間に余裕があり、降車してもすぐに帰宅できて家に到着します。
しかし、駅からの距離が離れれば離れるほどメリットとデメリットが逆になり、家賃も変わるのがポイントです。
駅近であれば通勤や通学が楽になる利便性で価値が高まりますが、駅から遠ければ価値が低くなって購入価格が低くなります。
売却の時も価格は安くなりますが、安価な物件を得たい買主にとっては嬉しいものです。
駅近だと売却価格と価値が高く、駅から遠いと売却価格と価値が低いバランスを覚えておきましょう。
生活
駅近であれば建物が密集していて、エリアによっては騒音や日当たりの悪いデメリットがあります。
騒音は人の話し声も該当しますが、電車の音も含まれるため物件は慎重に選びましょう。
しかし、駅にはお店が直結していて、豊富な商業施設が多いという駅近のメリットがあります。
生活に必要なものは徒歩数分の距離で済み、人通りが少ない道を通ることもありません。
女性の一人暮らしだと細い道や灯りの少ない道は危険であるため、寄り道せずにまっすぐ帰れば治安は良好でしょう。
繁華街の近くだと治安が心配な方もいますが、周辺の賃貸物件のセキュリティは頑丈であることが多いです。
まずはどのようなセキュリティ対策をしているかを確認して、問題なければ物件を選んでいく流れがおすすめになります。
時間
所要時間は不動産情報と必ずしも一致しないことを前述しましたが、駅近であれば問題ありません。
横断する信号が少なく、階段や坂道を利用することも少ないことでしょう。
不動産情報にある所要時間ともずれがほとんどなく、安心して住めます。
ただし、階段の上り下りが所要時間に含まれないように、エレベーターの利用時間も含まれません。
とくに比較的上の階に住んでいてエレベーターの数が少ない賃貸物件だと、不動産情報の所要時間どおりに駅に到着するのがなかなか難しいです。
駅近でも予定していた時刻の電車に乗れないことは多いため、住むときはわずかな調整が必要になります。
ただし、帰宅であれば調整する必要がなく、自宅までスムーズに到着できて利便性が高いです。
つまり、自宅から駅までの時間だけに気を付ければ、メリットが大きい物件といえるでしょう。
まとめ
不動産情報にある徒歩の所要時間において、1分＝80mが表示ルールです。
ただし、信号や坂道、階段などによる時間のロスは含まれていないため、実際に歩いてみると差が生じます。
駅近の物件で暮らすと嬉しいメリットと避けられないデメリットがあり、住みやすくて安心な物件を探すのがおすすめです。
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