建物の構造で中古マンションでも耐震性が高かったり、自由自在にリノベーションができる場合があります。
それが「壁式構造」と呼ばれる建物です。
本記事では、壁式構造とはどんな建物なのか、特徴やメリット・デメリットについてご紹介しています。
またリノベーションの際、どこまで変更できるのかなども解説していますので、物件選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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近年、リノベーションが注目されています。
内装や間取りを自分好みに変えられるため、中古マンションでもリノベーションをしてしまえば魅力的な部屋に大変身します。
しかしこのリノベーション、実はできる物件とそうでない物件があるのは知っていますか?
それが「建物構造」です。
ここでは、一般的に用いられている「壁式構造」とはどんな構成で建てられているのか、同時に使用されることの多い「ラーメン構造」との違いについて解説します。
そもそも壁式構造とは?
壁式構造とは、壁を使って建物を支える構造のことをいいます。
一般的に建物は柱や梁などを枠組みにし建てていきますが、それを耐力壁と呼ばれる壁を使って建てるのが大きな特徴です。
そのため頑丈かつ出っ張りのない、まっすぐな建物を建てることができます。
壁式構造が供給された年代
中古マンションは、「旧耐震基準」と「新耐震基準」にわけられます。
新耐震基準になったのは1981年6月、建築基準法が大幅に改正され、旧耐震よりさらに強度が上げられました。
壁式構造は団地に多く見られ、1960~1970年代に建てられたものがほとんどです。
そのため、耐震基準は当然旧耐震基準になります。
しかし構造上非常に頑丈で、たとえば地震の揺れも四方に分散させる働きがあるため、旧耐震基準でも優れているという結果が出ています。
実際、ラーメン構造に比べ地震の被害も小さく済んだと言われていますから、壁式構造は旧耐震基準でも安全性は高いといえるでしょう。
ラーメン構造との違い
同じ中古マンションでも、壁式構造で建てられているのかラーメン構造で建てられているかで耐震性はもちろんのことさまざまな機能に違いがあります。
まず一番の違いといえば、「何で構成されているか」です。
壁式構造は先ほども述べたように壁を使って構成されています。
面で建物を支えているので凹凸もなくスッキリしており、揺れに強いことから耐震性も期待できます。
一方でラーメン構造は、柱や梁で構成されているため低層マンションはもちろんのこと、高層建築物にも対応できます。
また耐力壁がないぶん、空間も自由自在でリノベーションに適しているでしょう。
ただ、パッと見ただけでは壁式構造なのかラーメン構造なのかを見分けるのは困難です。
しかし間取り図を見ると一目瞭然なので、気になる方はチェックしてみてください。
壁式構造の見分け方
先ほども述べたように、このタイプの構造は間取り図である程度知ることができます。
ただなかには細かいところまで書いていない間取り図もありますから、その場合は階数で確認するとわかりやすいでしょう。
まず間取り図で見分けるには、「柱の出っ張り」があるかどうかです。
ラーメン構造は柱や梁で建物を支えているので、どうしても出っ張りが目立ってしまいます。
一方で壁で構成されている建物は部屋がまっすぐなので凹凸がありません。
ですので、柱の出っ張りや部屋の隅、上部などでなんとなく判断できるでしょう。
階数は5階以下なら壁式構造の場合がほとんどです。
壁式構造の中古マンションのメリットについて
1981年より前に建てられた中古マンションは、壁式構造で建てられているものが多いといわれています。
そのため耐震性に不足はありますが、耐力壁で四方をしっかり固定しているため思っているより強度は低くありません。
ここでは、壁式構造の中古マンションのメリットについて解説します。
耐震性が高い
耐力壁と呼ばれる面で建物を支えているため、頑丈で揺れに強いというメリットがあります。
また厚みもあり、断熱性や防音性も高いので集合住宅には非常に有利です。
耐震性に関しては、以前も述べたように過去の地震で証明されていますから、たとえ旧耐震基準のときに建てられたマンションでも安全性は高くなります。
静かに暮らしたい方や耐震性を気にされる方に安心感を与えるのが壁式構造です。
部屋に凹凸がない
壁で建物を支えているので、柱や梁を用いているラーメン構造に比べ部屋に凹凸がありません。
そのため、部屋をまっすぐに使うことができ、家具も配置しやすいでしょう。
価格が安い
旧耐震基準のマンションは中古物件が多いため、築浅の物件に比べると価格が安くなります。
また中古マンションは新築よりも売れ行きが悪く、価格を下げないとなかなか入居してもらえません。
壁式構造だから安いというよりは、中古マンションに多く用いられているため安くなりやすいというわけです。
他にも住宅ローン控除が適用されないことも関係しています。
一見するとデメリットのように思われそうですが、壁式構造はたとえ旧耐震基準でも頑丈なので、他の構造の築浅物件よりも安全性は高いといえるでしょう。
また立地が良い物件が多い・眺望が良いなどのメリットもあります。
壁式構造の中古マンションのデメリットについて
頑丈なので中古物件でも耐震性が高く、安心して生活できる壁式構造ですが、一方でデメリットも存在します。
物件を選ぶ際は、ぜひマイナス面も考慮してみてください。
リノベーションが難しい
壁でしっかり建物を支え、耐震性に優れた構造ですが、実は「リノベーションが難しい」というデメリットがあります。
柱や梁で支えているラーメン構造は、リノベーションの際も撤去しやすく自由自在に部屋を変えることが可能です。
しかし壁で支えている壁式構造は壁の撤去ができないため、部屋を広くしたり開口部の場所や数を変えることができません。
要するに、リノベーションをするには制限が多くなってしまうのです。
よって決められた範囲内での変更しか不可能でしょう。
将来的にリノベーションをしたいと考えている方や安くマンションを買って自分好みの部屋にしたい方にはあまりおすすめできない構造になります。
変更できる壁もある?
ただ、一切リノベーションができないというわけではありません。
あくまでラーメン構造よりも難しいというだけであって、使用している壁の種類によっては撤去することもできますし、その辺は契約前に確認しておくと良いでしょう。
ちなみに、軽鉄やボードなどで作られている壁は建物構造に影響しないため撤去可能です。
防音性には違いがある
防音性が高いと言われていますが、実際は木造か鉄筋コンクリートかでも大きく変わってきます。
もちろん構造上、防音性が高いことに変わりはありませんが、どの程度防いでくれるかは木造か鉄筋コンクリートかで違いが出ます。
よって、木造なら生活音が響きやすく、鉄筋コンクリートならよりしっかり音をシャットアウトしてくれるでしょう。
「思っていたよりも音が響く」という方は、もしかしたら木造で建てられている可能性があります。
どうしても気になるのであれば、内見の際に音の響き具合も確認してみてください。
ちなみに、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートならラーメン構造でもそれほど騒音の差は大きくないといわれています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
中古マンションの場合、耐震性を気にしてなかなか契約できない方は少なくないでしょう。
しかし壁式構造なら旧耐震基準でも耐震性に優れており、安全性が高くなることが分かりました。
物件を選ぶ際は、ぜひ参考にしてみてください。
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