所有する家や土地などの不動産売却をお考えの方にとって、気になるのが売却益とそれに対して課せられる税金のことでしょう。
契約には数百万円、数千万円というお金が動きますから、当然そこに課せられる税額も大きなものになります。
では売却益とは何か、また税金の計算方法や節税方法などについても詳しくご紹介していきます。
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不動産の売買にかかわる仕事でないかぎり、ほとんどの方は家や土地の売買についてはほぼ何も知らないはずで、もちろん「売却益」という言葉の意味も曖昧でしょう。
これは、家や土地などを売った際のその代金として思われがちですが、実は売ったから必ず売却益が出るということでもないのです。
売れたから利益が出るという単純なものではなく、なかには売れたとしても結果的に利益どころか損失が出たというケースも決して珍しくはありません。
つまり売却益とは、不動産の売却価格ではなくこの売却価格からさまざまな費用を差し引いて、そこで残った利益の部分のことを言うのです。
たとえばこの売却価格が低かった場合や、逆に高く売れたけれどそれに伴う費用がかさんだ場合などは最終的に利益が出ないということもあるのです。
もちろん、利益を出すために不動産を売るわけですが、時と場合によっては損失覚悟で売りに出すというケースも珍しくはありません。
この売却益とはその名のとおり利益のことを指しますので、この国の法に則って考えますとそこには税金というものが課せられるわけです。
不動産を売ることで、まとまったお金が手元に入ってくると考えがちですが、実際は税金を支払うことになりますので、想定していた金額よりも低くなるのは仕方ありません。
売却益に対して課せられる税金は「不動産譲渡所得税」と呼ばれるもので、ここには国税である「所得税」と地方税である「住民税」が含まれています。
また2013年1月1日から2037年12月31日の間は所得税に「復興特別所得税」が加算されますが、これは東日本大震災の復興支援目的のものです。
注意点ですが、不動産譲渡所得税は所得税の一種ではありますが、収入から自動的に源泉徴収されるのではなく、納税者自身で確定申告をおこなう必要があります。
また、この確定申告は利益が出たときだけではなく、損失が出た際もおこうと節税効果がありますので、忘れずに申告しましょう。
確定申告は売却がおこなわれた年の翌年におこなうことになりますが、申告の期間は2月16日から3月15日までと限られていますので注意してください。
不動産売却益の計算方法について
家や土地などを売るとなれば、やはりどれくらいの売却益がでるのかを知りたいはずですし、また実際に売れた際の確定申告に備えて計算をしておくと良いでしょう。
その計算方法についてですが、まずその前に税法上の基礎知識としてこの売却益は譲渡所得に属し、正しくは「課税譲渡所得金額」と言います。
ではその数式ですが、課税譲渡所得金額=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除となっており、マイナス(売却損)が出た場合は課税されません。
取得費は今所有している不動産を買ったときの代金やそのときの仲介手数料や登記などの諸費用、さらにリフォーム代、測量費などがこれにあたります。
ただ、購入代金は買ったときそのままの価格ではなく、建物分に関しては減価償却費を差し引くので、計算方法としては購入代金×0.9×償却率×経過年数となります。
この償却率は建築物の構造によってその率が変わり、木造であれば0.031、軽量鉄骨造が0.025、鉄筋コンクリート造が0.015となります。
譲渡費用に関してですが、こちらは売却するためにかかった費用のことで、具体的には仲介手数料や登記費用、立退料といったものです。
特別控除とはある特定の要件に当てはまるものに関して計上できる控除額のことで、よく利用されるのが「3000万円の特別控除の特例」でしょう。
これは居住用として利用していた物件を売却した場合に使える控除で、限度額は3000万円となりますが、配偶者や親子への譲渡は対象となりません。
また稀に国や地方自治体から、所有している不動産の買取の依頼がくることがありますが、この場合もいくつかの特例があります。
不動産の売却益にかかる税金の節税方法
課税譲渡所得金額の数式により、利益が出た場合は譲渡所得税が課せられることになりますが、逆に利益がなければ税金を支払う必要はありません。
ではその課税譲渡所得金額がプラスになったケースでの、譲渡所得税の計算方法ですが、これは税率を掛けるだけのシンプルな計算式となります。
さてその税率ですが、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以内なら「短期」、5年を越えていれば「長期」に分けます。
ここで気を付ける点としては、所有期間は売却するまでの期間ではなく、あくまでも売れた年の1月1日を基準としていることです。
具体例を挙げてご説明しますと、2017年の5月1日に購入した不動産を2022年の6月1日に売却した場合、所有期間は5年を越えていますが、税法上では5年未満となってしまいます。
譲渡所得を計算する際は、この所有期間での区分が必要となり、それぞれ「短期譲渡所得」「長期譲渡所得」と呼び、税率が異なります。
短期譲渡所得の税率ですが、所得税率及び復興特別所得税を合わせて30.63%、これに住民税率9%が加算されます。
長期譲渡所得の税率は、復興特別所得税を含んだ所得税率が15.31%で住民税率が5%となり短期に比べると税率は低く設定されています。
さらに居住用の不動産でしたら、居住用財産の軽減税率の特例というのもあります。
「居住用財産の軽減税率の特例」とは、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が10年以上経過し、譲渡所得が6000万円以下であれば所得税率と住民税率が軽減される、というものです。
先述の3000万円の特別控除の特例のほかにも「特定居住用財産の買換えの特例」などいくつかの控除特例がありますので、該当するものがあれば利用するといいでしょう。
不動産を売却しても必ずしも利益が出るわけではなく逆に売却損が発生することがありますが、このときどういった対処をすれば良いのでしょう。
売却した際の所得は分離課税ですので、確定申告にて納税することになりますが、損失が出た場合も申告することで所得税や住民税を抑えることができます。
家や土地を売ったときに、購入額よりも低い価格で売れた場合は譲渡所得がマイナスになりますが、このとき利用できるのが「譲渡損失の損益通算・繰越控除」です。
この特例は損失が所得を上回った場合、損失から所得を差し引くことで所得をゼロの状態にし、その損失が完全に相殺されるまで最長3年間繰越せるというものです。
この特例には2種類あり、まずは居住目的でマイホームを買い換える場合の特例で、10年以上の住宅ローンの利用などいくつかの条件があります。
買い換えなしで利用できる特例の場合は売却してもローンが完済できない状態であることが条件で、ローンの残債と売却価格の差額が譲渡損失の限度額です。
まとめ
不動産売買契約は多額の取引になり、税金に関してはとくに注意が必要となります。
税金を支払うのは国民としての義務ではありますが、そこにはいくつかの特例があり控除が認められるものもありますので、上手に利用し節税に役立ててください。
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