近年全国的に空き家が増大するなかで、管理がなかなかおこなわれず、放置されていることも少なくありません。
団塊世代の相続で急激に増大するものの、管理について問題を抱えているのも事実です。
この記事では、空き家の種類や増加率から見た現状や、放置することで起こるリスクについて解説します。
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「空き家」とは、一言でいうと誰も居住していない家のことです。
行政の取り組みもあり、利活用を本格的に進めようとしているなかで、「住宅・土地統計調査」のデータが注目を集めています。
統計調査により「賃貸用住宅」「売却用住宅」「二次的住宅」「その他の住宅」と用途に合わせて、4種類に分けられています。
賃貸用住宅
賃貸用住宅とは、新築か中古に関わらず賃貸が目的で空き家になっている住宅です。
戸数としては431万100戸です。
賃貸用住宅は、賃貸経営をするために建てられたマンションやアパート、戸建てなど空室が1つでもあれば売却先が決まって入居するまでの間数に入ります。
したがって、空き家のなかでも数が多く、50.9%と半分以上を賃貸用住宅が占めています。
売却用住宅
売却用住宅とは、新築か中古に関わらず売買を目的として空き家になっている住宅です。
戸数としては、29万4,200戸です。
マンションの空き室や売却できないものが増加しているのが、原因かもしれません。
また、空き家全体の3.5%を売却用住宅が占めています。
二次的住宅
二次的住宅とは、週末や休日など避暑や保養などの比較的広い目的で、使用される住宅です。
普段は人が住んでおらず、別荘やセカンドハウスとして利用しているものを指します。
戸数は38万2,100戸です。
二次的住宅は、実際には所有者がおり、利用・管理しています。
空き家全体の4.5%を占めています。
その他の住宅
「賃貸用住宅」「売却用住宅」「二次的住宅」のどこにも属さない他の理由で、人が住んでいない状態の住宅を指します。
基本的には、長期にわたって不在になっていたり、入院や転勤によって長く家を空けていたりする住宅もはいるのです。
また建て替えのために、取り壊す住宅も該当します。
戸数は347万3,700戸です。
空き家全体では41.1%を占めています。
今総務省などが問題視している空き家は「その他の住宅」です。
今回の調査で、ますます増加していくことが予測できます。
増加率が高い空き家の種類とは?
住宅・土地統計調査の内容に基づいて、種類別増加率について紹介します。
上記の4種類(売却用住宅、賃貸用住宅、二次的住宅、その他の住宅)のうち、とくに増加しているのがその他の住宅です。
昭和58年から平成10年までの15年間における住宅・土地統計調査でグラフを見てみると、賃貸用住宅は55.5%から66.1%と増える割合が大きく目立っていました。
ところが平成15年になると賃貸用住宅の割合が減り始め、今も空き家のなかでも件数は半数以上と多いのですが、平成30年になると50.9%と減少しています。
またその他の住宅の割合を見てみると、平成10年に空き家全体の31.7%を占めていたものが平成15年に増加傾向になり、平成30年には41.7%にまで上昇しました。
また平成25年に実施された割合についての増加率については、平成30年までにその他の住宅が他の種類と比べて9%と高くなっています。
空き家率についてその他の住宅が高くなっているのは、家の相続問題が背景にあるのです。
家を所有していた高齢者が老人ホームや長期入院になり、誰も住んでいないという事例があります。
子どもは地元から離れて仕事に就いており、すでにマイホームを持っていて、実家に移り住むことはむずかしいでしょう。
また、職場からマイホームが離れているとどう対処したら良いのか苦慮し、結果的に放置してしまう事例もあります。
家は使わずそのままにしてしまうと老朽化が進み、今後どのようにするのか決まっていなくても管理はしなければなりません。
しかし、子どもが実家から離れていると、維持管理に多くの時間と費用がかかってしまうため、結果的に管理しきれず、放置した状態になってしまうのです。
次に、種類の部分で述べましたが「賃貸用住宅が50.9%で売却用住宅は3.5%」と、賃貸用住宅の割合が多いことです。
不動産があれば不動産評価額に合わせて税額が決まりますが、土地の場合には賃貸物件を立てるとその土地が「貸家建付地」になり、評価額が下がることになります。
相続税対策として建てられたケースが多く、結果的に賃貸用住宅が増加したという背景があります。
「その他の住宅」に分類される空き家を放置した場合のリスク
その他の住宅では個人が管理していますが、はっきりした目的意識があるわけではないため、放置してしまうとさまざまなリスクが伴います。
建物の傷みが早い
なかなか訪問できずに締め切った状態が続くと、室内に湿気がこもりカビが発生したり木材が腐食したりして、建物の劣化が進行してしまいます。
定期的に換気や掃除などのメンテナンスをおこなったほうが良いのですが、自宅から遠いなどの理由で、訪問が難しいこともあるでしょう。
固定資産税を毎年払い続けなければならない
誰かが住んでいても住んでいなくても、不動産の所有者に対して固定資産税がかかります。
ですからすでにマイホームを別に持っている方は、自宅と別に固定資産税を払わなければなりません。
資産価値が、それほど高くなければ大きな負担にはならないかもしれませんが、無駄な出費が継続されることになってしまいます。
被災による危険性がある
日本には地震に無縁な場所などありません。
また台風や土砂災害など自然災害が発生する可能性も多くあります。
そのような環境のなかで所有することは、自然災害によるさまざまなリスクに、対処しなければなりません。
保険に加入して対応する意見もありますが、結局コストがかかります。
近隣住民から苦情
自然災害によりダメージを受けて台風によって、屋根瓦が強風で飛ばされ隣家を破損させてしまったり通行人に怪我をさせてしまったりすると、所有者は損害賠償請求されます。
また庭の雑草が伸びて隣地に飛び出していたり、害獣や害虫が生息してしまったりすると、近隣からのクレームにもなりかねません。
人目につかないので不法投棄されると、悪臭や害虫の原因になってしまいます。
改善されなければ行政からの指導も
長く放置されていると、治安の面で近隣住民にとって不安要素です。
不審者が、寝泊りしたり放火されてしまったりする可能性も出てきます。
また適切に管理されていなければ、問題を引き起こす要因と考えられ、近隣住宅の資産価値を下げてしまうかもしれません。
たとえば物件を探している方が気に入った家が見つかったとしても、その隣がボロボロになっている人の住んでいない家であれば、購入するのを見送るでしょう。
空き家が原因で売却価値が下がるとなると、近隣住民にとっては迷惑な要因となるでしょう。
そのまま放置をし続けていると、「特定空き家」として行政から認定され指導が入ることもあります。
まとめ
空き家を管理しきれずに放置したままにしてしまうと、景観が悪くなったり犯罪を誘発しやすくなったりと、さまざまな問題が懸念されます。
また自治体によって特定空き家に認定されてしまうと、固定資産税が6倍に跳ね上りかえって、負担が増えてしまいます。
もし管理がむずかしく今後も住む予定がないのであれば、売却といった方法も検討してみてはいかがでしょうか。
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